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史上最大のボロ儲け [Kindle版]

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まずは、このジョン・ポールソンの紹介をしましょう。
アメリカには、個人が成功する社会なので、多くの分野で、「〇〇といえば、〇〇」という超有名人が居るものですが、
彼も世界一稼ぎ、かつ、世界一の報酬を得た(2007年37億ドル)ファンドマネージャーとして超有名人の仲間入りしました。
ポールソンといえば米財務長官ヘンリー・ポールソンのことでしたが、サブプライム後は、このジョン・ポールソンになったように思います。
しかし、彼の成功はそれでも終わりません。
2008年も20億ドルを懐にし、ファンドマネージャー報酬ランキング2位を獲得しまいた。
この本のあとも、彼はシティバンクの株を買い向かい、巨額の利益をあげ、
2009年のファンドマネージャー報酬でも4位(23億ドル)を獲得しました。
実は2009年は、彼のファンドの成績はパッとせず、なんだ一発屋かと言われていましたが、
シティバンク株があがり、一気に上位に戻してきました。
2010年も1位で49億ドル(4100億円)を手にし、この世界のエース中のエースだったジェームズ・シモンズ引退後、
この業界を支える重要人物であるのは間違いありません。
だいたい、ソロスなんて、ポンドを売り崩して有名になっただけで、近年はたいして儲けてないのに、
有名なお陰で、ファンドの規模がでかいから、毎年、報酬ランキングに名前を載せてきますが、これは本当の実力ではないと思います。
このような裸一貫、ファンドを育て上げ、その圧倒的な結果で、報酬をいただくという彼のほうが正直、好感がもてます。

本の感想としては、「やっぱり。かなり危険な取引であったか」と思いました。
CDSは、ひとつひとつが違う内容なので、市場で取引されず、相対取引でしか手に入らないのです。
つまり、「とっても流動性が低い」ので、これを買いまくるのは、かなり危険な行為です。
しかも、巨大な投資銀行は、価格をコントロールする力をもっているのです。
売りたい時に売れないし、売ろうとすると買い叩かれて安くしか売れない可能性が高いのです。
実際、不動産価格が落ち、デフォルトの件数が増えても、CDSは大して値段が変わらないどころか下がっていったのです。
「流動性の低さ」と「どんどん下がる価格」に耐え続け、数兆円も買い進めるのは、
「史上最大のぼろ儲け」というより、「史上最大の丁半博打」であり、
最終的に米不動産価格が崩壊したから良かったものの、崩壊まで至らなければ、
CDS価格は暴騰せずに、一定価格を維持するという可能性もありました。

流動性の低いものというものは、正しい価格に収斂するまで、
気が遠くなるほどの時間がかかったり、時には、永遠にならないこともあるので、
確かに儲かりましたし、読みも間違っていませんが、かなり危険な取引であったのは間違いないと思いました。
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